2011年02月09日

菊正宗のこと

先週の日経新聞の長寿企業の連載ものに、菊正宗酒造のことが書かれてましたね。この「正宗」という文字、臨済正宗の正宗が「セイシュ」に似ていることからの語呂合わせらしく・・・


 それが、全国に、正宗の名のつく銘柄になったとのことです。

 で、菊正宗酒造は、その正宗に菊を冠して、商標登録したわけです(商標条例が施行された1884年)。

 もともと菊正宗は、本嘉納商店といい、創業1659年、というから江戸時代(4代将軍家綱の時代)に興っています。回船業を営んでいた嘉納治郎太夫が副業として酒造りを始めたのが発端。当時の嘉納家は造った酒を全量、江戸に下り酒として送り、庶民の人気を集めたとのこと。

 現在、酒の出荷量で、菊正宗は全国8位のポジションであり、堂々の1位は白鶴酒造(社長は嘉納健二氏、社長の姓から、嘉納家と関係が・・・、嘉納家の分家になるとのこと。1743年に酒造を開始した)。

 *業界では、菊正宗の嘉納家を本嘉納、白鶴の嘉納家を白嘉納と呼ぶそうである。

 さて、菊正宗の中興の祖は8代目の嘉納治郎右衛門尚義であるといいます。7代目が幕末から明治にかけての急激な変化を受ける中で、起死回生を期し、他事業に投資をしたが、ほとんど裏目に出たらしく、8代目は7代目(兄)を反面教師にし、投機事業から撤退し、家業に専念、しかも欧州の先進科学設備などを導入しイノベーションを図ったそうです。1902年には海外輸出比率を50%まで引き上げています(いまの各蔵での輸出の取り組みは、ここに原点ありですね)。

 昭和初期には、生産量で1位になったこともあるようですが、今では、じりじりを順位を下げてきています。それでも、辛口醸造のこだわりを捨てず、創業350年の2009年には、主力商品のすべてを「生酛造り」に切り替えてます。

 生酛(きもと)造りとは、天然乳酸菌の力を借りて、強い酵母を育てる醸造法のひとつだそうで、江戸時代に丹波杜氏が開発したんだそうです。(知らなかった)

 職人の手作業で4週間かけて仕込むということで、通常の2倍以上の手間ヒマがかかるということです。

 いまの社長は、12代目。経営信条に「ひとの行く裏に道あり花の山」だそうで、8代目の経営行動が手本にあるのだそうです。

 ところで、菊正宗、白鶴も灘にあります。灘といえば、灘高校。かつて、東大進学率全国1位を誇った名門ですが、1927年に設立されました。設立したのは、菊正宗、白鶴、桜正宗の3社であるとのこと。さらに、あの柔道の嘉納治五郎氏(教科書にもあったと覚えている貴兄は多いのでは)を顧問として招き入れているがです。 やはり、嘉納と名がつくので、おなじ嘉納一族なんですね。


 しかし、このように、名家というか、財あり、名あり、という家々がこの国のあちこちに見られたわけですね。


posted by ザッキーニ at 08:00| 高知 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 酒を呑むこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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