2012年03月03日

ワクチン販売の新会社

きのう、3月2日付けで、グラクソ・スミスクライン株式会社と第一三共株式会社が、「ワクチン事業における戦略的提携について」として、折半出資による合弁会社「ジャパンワクチン株式会社」(以下、「新会社」)の設立に合意し、契約締結したとの発表をしました。 この中で、
近年、科学の進歩による予防医療の進展により、ワクチンに対する関心が非常に高まっているなか、日本においては、先進国で感染症予防に効果を上げているワクチンの多くが未導入・未普及でした。ワクチン産業ビジョン(厚生労働省:2007年3月)において、ワクチン・ラグを解消すべく産業強化のための方策が示され、新規ワクチンの承認・発売など、ワクチンを取り巻く環境に大きな変化と前進が見え始めております。」とありますが、要するに日本は、ワクチン後進国である・・・
と、認識されているわけです。

この辺は、ロイター社の記事が分かりやすいので、引用すると、

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[東京 2日 ロイター] 第一三共<4568.T>と英グラクソ・スミスクライン<GSK.L>は2日、日本でワクチンの開発、販売を手掛ける合弁会社「ジャパンワクチン」を設立すると発表した。

ワクチン後進国と言われる日本では、ビジネス機会が増加するとみられており、豊富な製品、パイプラインを有するGSKと提携することで、国内に必要とされるワクチンの導入を図り、事業の拡大につなげる。

新会社の資本金は1億円で、両社が折半出資する。7月2日に事業を開始する。両社が保有するワクチンの開発権と販売権を継承。日本における両社のワクチン事業の後期臨床開発、マーケティング、営業を集約する。予防ワクチンに特化した会社として、まずは、すでに販売している製品や、現在開発中のワクチンを取り扱う。従業員は約200人で、このうち、営業を担当するMRは約120人

第一三共の中山譲治社長は会見で「日本に入れなければならないワクチンはたくさんある」として、日本でのワクチン事業でナンバーワンを目指す考えを示した。新会社が海外展開する可能性については「今その計画はないが、夢はいろいろとある」と述べるにとどめた。売上高など具体的な計画は、現在策定中として、明らかにしなかった。

第一三共の2010年度のワクチン売上高は178億円、12品目を販売している。北里研究所(東京都港区)と第一三共との合弁、北里第一三共ワクチンは、生産に力を入れる関係会社として存続する。また、サノフィと提携して「ヒブワクチン」を扱っているが、この提携は「今後も継続する」(中山社長)。

グラクソ・スミスクラインは、予防ワクチンと治療ワクチンの分野で30品目以上のワクチンを販売する世界シェア1位の企業。2011年の世界売上高3兆2864億円のうち、ワクチン売上高は4196億円。日本におけるワクチンビジネスは、世界のワクチン売上高の10%程度となっている。

日本は他の先進国に比べてワクチンが広がっていない。ただ、予防医療に重点を置く観点から、ワクチンへの注目が高まっており、武田薬品工業<4502.T>なども力を入れて取り組む方針を示している。
出所
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 ということです。


 冒頭に書いた、「ワクチン産業ビジョン」は2007年3月に公表されたものですが、日本では1995年にA型肝炎のワクチンが出されて以降、ほぼ10年間、新しいワクチンが出ておらず、2007年1月に、インフルエンザ菌B型(「Hib」)による髄膜炎等の感染症を予防するHibワクチンが承認されたという経緯があります。

 日本の医療用医薬品市場は約6兆円(2006年度数値?)で、そのうちのワクチン市場は、全体の1%程度ということです。

 日本のワクチン製造企業のワクチン事業による年間の売り上げは、1社につき数億円から100億円程度であります。これは、年3,000億円規模の売上げの欧米のワクチン企業と比べると、その差は歴然です。(上記のグラクソスミスクラインは、4200億円)

 日本と世界のワクチン市場は、2006年の日本では700億円市場でしたが、これはアメリカのワクチン市場の2分の1以下であり、世界の市場約6,600億円(2006年値)と比較してもまだまだ全然というところです。

 これはまた企業の研究開発費についても然りであり、また、欧米で普及している、治療用のワクチンの日本での導入や今後見込まれるであろう、がんワクチンなどもの日本に広めていこうという狙いがあるようです。

 こういうことで、日本におけるワクチンの普及を図ろうというのが、ワクチン産業ビジョンということです。


 ところで、日本のワクチンメーカーは、

北里研究所、(財)化学及血清療法研究所、(財)阪大微生物病研究会、千葉県血清研究所、(株)細菌化学研究所、デンカ生研(株)

の6社ということです。小生、ちょっと前に聞いたところでは、4社 だったと思いますが、それから2社増えたということでしょうか。

このうち、阪大微生物病研究会は四国にあり、一、二度行ったことがあります。
たしか、今年か、来年中に新たな製造棟をつくる話があったと思います。これはまたの機会に。

 ☆→阪大微生物病研究会


 いずれのメーカーも販売は、国内の製薬会社と提携していたと思います。

 ある話では、日本の上位メーカーは、ワクチンの製造は、有精卵を用いるために鶏を多く準備することで、契約農家への支払いや、急な増産にもできないこと、作りすぎれば「返品」・・・などの「制約」で、手を出していないということです。


 ここで思うのが、日本では何故に、ワクチン後進国になってしまったのか?です。

 どうやら日本のワクチン政策の曖昧さによる、というのが、ひとつの要因となっているようです。それは、日本の予防接種は定期接種と任意接種の二つのカテゴリーに分けられるが、どのような条件を満たせば定期接種となるのかという指標が不明確である、ということのようです。
 その流れで、現在の予防接種法下において、新に定期接種化されたワクチンは基本的に存在しない。さらに、定期接種化する疾病・ワクチンの基準というものもない、らしいです。

 この辺は、説明するにムツカシイので、そっちを見てくださいや。


 ま、いずれにしても、上位メーカーの第一三共が世界ワクチントップシェアのGSKと組んで販売開始するということのうらに、日本のワクチン市場も拡大していくことが、予想されます。
posted by ザッキーニ at 14:29| 高知 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 被雇用能力・転職・再就職・いちおし会社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なるほど、
ワクチンのことは、さっぱりわかりませんが
いろいろあるのだなあと、記事を読んで思いましたよ
Posted by 山口ジジイ at 2012年03月05日 22:43
なるほど、
ワクチンのことは、さっぱりわかりませんが
いろいろあるのだなあと、記事を読んで思いましたよ
Posted by 山口ジジイ at 2012年03月05日 22:47
そうですね。

いろいろあるようです。。
Posted by morimachi at 2012年03月07日 02:22
おひさでしたです
最近タバコを辞めた私は、
さらに太り始めましたww
Posted by 山口ジジイ at 2012年03月07日 21:18
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